日本でのコンタクトレンズの使用者は、約1500万人に上ると予想されています。日本人の10人に1人がコンタクトレンズを使っている計算になります。スポーツ選手も例外ではありません。
コンタクトレンズの性能や使い勝手は日進月歩改良されています。しかし普及に伴い、長時間にわたる無理な装用や不適切なレンズケアによって起こる目のトラブルは確実に増加しています。またスポーツ中はレンズの外れや異物混入で、プレイを中断せざるを得ないトラブルも発生します。このためコンタクトレンズに依存しない視力回復が必要とされています。
もともとコンタクトレンズは激しい運動向けには考えられていません。使用できるから、といった程度のもとと認識した方がいいでしょう。
コンタクトレンズによる事故・障害のほとんどは洗浄方法を間違えていたり装用したままの就寝、汚れやキズのついたレンズを装用したり、などとほとんどが取扱方法の誤りから発生しています。目の痛みや充血、異物感があるなど自覚症状がある場合はまずは眼科医を受診しましょう。
コンタクトレンズを使用することによって起きる目の病気には次のようなものがあります。
角膜の最表面にある細胞が脱落。長時間の連続装用が主な原因です。
上皮びらんの症状が進んだ状態。放置すると失明の危険もあり、また治癒しても角膜に濁りが残る場合があります。
コンタクトレンズが眼球表面の酸素透過を遮ることで角膜内に血管が侵入する。
コンタクトレンズが眼球表面の酸素透過を遮ることで、角膜の透明性を維持する内皮細胞が減少する。
コンタクトレンズによってまぶたの裏が荒れてかゆみや充血が発生。コンタクトレンズによる刺激や汚れに対してアレルギー反応を起こしたりします。
コンタクトレンズについてアメーバが角膜に侵入し角膜を喰い荒らします。治療も厄介で治癒後は大幅な視力低下があります。
アカンドアメーバは大きさが2ミクロン程度の単細胞生物の一種。淡水や土壌中に広く生息している原生動物です。私たちの身のまわりに広く存在しますが、病原性が非常に弱いために、これまでは正常な角膜に感染することほほとんどありませんでした。たとえアカントアメーバが角膜についても、普通なら涙で簡単に洗い流されてしまうからです。
ところが、角膜に少しでも傷があるとアカントアメーバの侵入を許していまいます。コンタクトを装用していると、角膜の表面に傷ができやすいので感染しやすくなることがわかっています。
外でプレーする機会の多いスポーツ選手ならなおさらでしょう。砂埃などアカントアメーバのついた異物が眼に入る機会が普通の人よりも多くなることは間違いありません。スポーツ中のコンタクトレンズの使用はとても危険なのです。
コンタクトレンズは長期間使用すると角膜が薄くなることがわかっています。酸素を透す高度なコンタクトレンズを使用しても、角膜内の細胞は酸素不足を起こしてしまいます。その結果目の機能が低下し細胞が減っていってしまいます。
一説によると、コンタクトレンズを5年間使用すると、角膜内の細胞は10%減少するそうです。
さらに角膜内の細胞が2000個を下回ると、乾きと痛みでコンタクトレンズを使用できなくなるそうです。これらのことからコンタクトレンズは20〜25年程度しか使用できないことになります。生涯スポーツとして現在のスポーツをとらえるとき、コンタクトレンズの使用はスポーツ選手としての寿命を縮めてしまう恐れがあるのです。