レーシック (LASIK: Laser in Situ Keratomileusis ) とは角膜屈折矯正手術の一種で、目の表面の角膜にエキシマレーザーを照射し、角膜の曲率を変えることにより視力を矯正する手術のことです。多くのスポーツ選手や芸能人などがレーシック手術を受け、近年注目を集めるようになりました。
通常、近視を補正する場合、眼鏡やコンタクトレンズなどの道具を使用するのが一般的ですが、レーシックでは角膜を矯正手術することにより限りなく正視の状態に近づけるといわれています。これにより、裸眼視力を向上することができます。1990年代にアメリカを中心にその手術方法が認知されるようになり、 2009年アメリカの医学誌「Archives of Ophthalmology(眼科学)」11月号にて近視に対するレーザー手術は長期的に見ても安全であるという研究結果が発表されています。
LASIK(レーシック)手術は、レーザー機器もしくは、マイクロケラトームと呼ばれる眼球用カンナで角膜の表面を薄くスライスし、フラップ(ふた状のもの)を作り、めくります。表面に現れた角膜実質層にエキシマレーザーを照射し、角膜の一部を削ります。フラップを元の状態に戻し、フラップが自然に吸着します。角膜中央部が薄くなるため、角膜の曲率が下がり(凹レンズを用いたのと同じ効果)、近視が矯正される。視力は術後直後から1日程度で矯正されるといわれています。実際に視力が安定するには1週間から1ヶ月程度を要し、90%以上の人が裸眼視力1.0以上になっているようです。
手術の要件としては、角膜に一定の厚さが必要なため角膜が薄い場合、眼に疾患等を抱えている場合、など手術が受けられないケースがあります。また、近視の進行する10代などの若いうちは手術が受けられません。
アメリカにおいては、毎年100万人以上が手術を受けており、その割合は近視人口のおおよそ1割にのぼると考えられています。
近視の補正をする眼鏡やコンタクトレンズといった道具が不要になる。
裸眼視力が向上する。
失敗・術後合併症等のリスクが存在する。
歴史が浅いため、長期に渡る安全性が実証されていない。ごくまれではあるが、術後、近視に戻る症例も報告されている。
術後角膜に微細な傷痕が残る。他人から見る分には全く分からない傷痕だが、これにより次のような症状が出ることがある。
○角膜の傷によって光線が撹乱され、網膜像のコントラストが低下する。
○術後、一過的または継続的にハロ・グレアが出現する。
角膜が薄くなる分変形しやすくなるため、体調や天候・高度によって視力が変動しやすくなる。
角膜中心部の曲率しか変わらないので、夜間瞳孔が開くと、角膜周辺部の術前と変わらぬ曲率をもつ部分を通った光線が網膜に到達し、二重像を生じたり夜間視力が低下したりすることがある。
フラップの作成により角膜中心部の知覚神経が切断されるため、ドライアイになることがある。
フラップは時間の経過とともに安全な強度に近づくが、完全に元には戻らない。強い外圧がかかるとごくまれにフラップがずれる場合がある。このため格闘技の選手等には向かない。
パイロットなどレーシックの既往歴があるために就けない職業がある。
人にも拠るが50歳-6Dで受けた例では近眼が矯正され、老眼+1.5Dが顕在化し、近眼の特権であった裸眼で小文字が一生見えなくなる。一定年齢以上では近眼用メガネが不要になる一方、すぐに老眼鏡が必須になる。
レーシックは新しい医療方法です。そのため長期にわたる合併症等の検証が十分ではありません。
レーシック手術に伴う合併症で最も多いのはドライアイで、American Journal of Ophthalmologyの2006年3月の発表によれば、レーシック後6か月の術後治療期間の後にドライアイに罹患している割合は33.36%で、実に3人に1人の割合がドライアイということです。
そのほか、レーシックの術後に、暈(かさ)が見えたり、ものが二重に見えたり、コントラストが低下したり、グレアが現れたりといった視覚上の副作用を罹患する場合があります。この副作用の危険性は、手術前の屈折異常の度合いやその他の危険因子に依存するため、全患者の平均ではなく、個々の患者ごとの危険因子を十分考慮して手術を行う必要があります。
手術によるドライアイ ・過剰矯正および矯正不足 ・視力の変動 ・夜間に光源の周囲に見える暈や星形の視覚異常 ・光感受性 ・ゴースト像や複視 ・フラップのしわ ・照射のずれ ・フラップの下の塵や腫瘍 ・フラップの穴 ・乱視 ・角膜拡張 ・飛蚊症 ・上皮侵食 ・後部硝子体剥離 ・黄斑円孔